人外との恋を描いた異例作『シェイプオブウォーター』を見た感想・ネタバレ
こんにちは、monacooc(@monacoo)です
先日公開前から気になっていた『シェイプオブウォーター』をみました
半魚人と人間が恋に落ちる物語でアカデミー賞を受賞している作品です
この映画を一言で言うと『凄くお洒落で美しい恋物語』です
日本やアメリカで作られているラブコメディとはかけ離れた、アダルトで切なくて本当に美しい恋物語
みて良かったなと感じる作品です
ただですねこの映画
・カップル
・ネコ好きな人
・アダルトが苦手な人
・グロ苦手な人
など当てはまる方は見ない方がいいと思います
R15指定ですが間違いなく高校生なんて見ちゃいけないしR20ぐらいの映画になっています
※ここからはネタバレになります。ご注意ください
舞台はアメリカとロシアが冷戦真っただ中の1962年アメリカ
声を出して話すことが出来ないイライザは政府の極秘機関の掃除婦として働いています
夜に起きて卵を茹でているうちにお風呂に入って自慰をする
それが彼女のルーティーンです
イライザの隣の部屋にはパイ屋のハンサムボーイに恋するゲイのジャイルズという親友がいます
掃除仲間の黒人女性ゼルダ(最初の方はゼルダだったのに後半はデルダと字幕が変更されていましたがどっちが合っているのでしょうか)はおしゃべりですがとても陽気でやさしく世話焼きでイライザとは仲良しです
デルダとイライザは10年以上友達と言っていましたがどう言う出会い方をしたのでしょうね
デルダはイライザの為に手話を覚えたのでしょうか
ある日、極秘機関にある謎の生物が運び込まれます
たまたまイライザはその生物を見てしまい、深く惹かれます
警備として元軍人の大柄で横柄で差別的な男、ストリックランドの指がその生物に引き裂かれるのを目撃してもその気持ちは変わりません(そしてその指を自分のサンドイッチ袋に入れて警備主任に渡すイライザ)
堅く閉ざされた扉の向こうにいる生き物が気になりゼルダにも黙ってこっそりとゆで卵を持っていきます
最初は警戒をしていた生き物…半魚人は次第に警戒を解いていきやがてイライザは音楽を持っていき一緒に聴いたりする事でどんどんその中を深めていきます
そんな中、研究のために半魚人が解剖させられることを知ったイライザは、半魚人を逃がす計画をたてます
ソ連のスパイである研究員のホフステトラーも半魚人を殺したくない為半魚人を逃がす手伝いをします
最初は犯罪者となるその行為を手伝うことを拒否していたジャイルズでしたが絵描きとしての仕事の失敗、そしてパイ屋のハンサムボーイに酷く拒否され手伝うことを承諾します
そしてなんやかんや同僚のゼルダも手伝うことで半魚人を自宅アパートの浴槽に連れて行くことに成功します
そして2人はより深く愛し合います
ですがどれだけ環境を整えても浴槽は浴槽
次第に衰弱していっている半魚人にとうとう近くの運河から逃がす計画を立てます
半魚人を逃してしまったストリックランドは元帥から『36時間内に連れて来なければお前は宇宙のチリとなる』と脅され解剖を反対していたホフステトラーを追跡します
そしてアメリカの理になるなら半魚人を殺せと命令したのに実行をしなかったホフステトラーはロシアに殺されかけたところをストリックランドに寸止めされ拷問され半魚人の居場所を吐かせます
次にストリックランドはゼルダのところへ行き、つなぎ直したのがうまく治らず腐った自分の指を引きちぎりながら半魚人の居場所を吐き出させようとしますがゼルダは口を割りません
しかし彼女の夫が『話ができない女のところだ』と言った為ストリックランドはイライザのもとへと向かいます
夫に失望しつつ親友のピンチに電話を入れるゼルダ(話せなくても指をトントンしたりして会話できます)
急いで半魚人と共に運河へと向かいます
そして維持別れの時ストリックランドは半魚人とイライザを撃ちます
ですが狂人的な治癒能力ですぐ回復しストリックランドの首を爪で切り裂きます
そして動かないイライザと共に運河へ飛び降り彼女を治癒し首の傷をエラにすることで2人は共に永遠に過ごすことが出来るようになりました
感想
警備がザルすぎない?
今回イライザが働いていた職場はアメリカの極秘研究施設のはずなのに掃除婦が勝手にその研究対象に接触できたり、監視カメラを上にずらすことができたり、とにかくザル警備です
しかもその後の犯人のプロファイリングが『よほど訓練された精鋭のチーム』『人数は数十人』とか言っていて「いや無能かよ」と普通に思っちゃいました
掃除婦2人とおじいちゃんと研究員だわ
途中で入ったダンスシーンに思わず「ディズニーかい」
イライザが半魚人への愛を語るシーンで急に歌と踊りが入ります
ミュージカルかディズニーばりのテンションの変化に思わず「ん?」となり突っ込んでしまいました
性描写がエグい
冒頭からイライザがお風呂で自慰していたり、ストリックランドと妻がもろセックスしていたり、おっぱい丸見えだったし、とにかく性描写がエグいです
私映画のスクリーンでセックスしているのを見ながら「ここで高校生カップルとかいたらほんと気まずいだろうな」と思いました
恋愛系だと思って初デートでこれをチョイスしたら本当に最悪です
ギレルモ・デル・トロ監督はパシフィック・リムで知りましたがあの映画はキスシーンさえ出ないじゃないですか
その監督がこんなエグい性描写をするとはちょっと意外でした(と思っていたら他の映画だとエグめなんですね)(もっと彼の作品を見ます)
グロい
最初の方から切り取られた指が出てきたり、ネコが頭から食べられたり、ホフステトラーの撃たれた腹とか頰とかに指突っ込んでグリグリしてみたり、喉引き裂かれてたり
とにかくグロい
もう半魚人も一種の『グロテスク』に分類されそうな気がします
この映画のジャンルは間違いなく『恋愛』なのですがただただ純粋に恋愛映画を見に行く、と思って見たら普通にグロくてダメな人は本当にダメだと思います
海外ではR18なのも納得です
純粋でまっすぐで美しい恋
短期間で深く深く繋がっていくイライザと半魚人
イライザの彼への愛は見ていてとても美しいと思いました
「彼はありのままの私を見ている、幸せそうな目で。」というセリフがあるのですが彼女が生きていて話せないことに同情や差別を受けたことが多々あったのでしょう
半魚人の方も彼女を想っていることは表情や仕草、行動で分かります
けっして社会に馴染むことはできない2人の切なくて情熱的な恋
こんなファンタジー要素が含まれた恋愛映画は初めて見ました
とても面白かったです
ラストの水中の2人は、とても美しい
様々な差別
この映画を見ていて思ったのはとても差別表現が出ていたことです
黒人であるゼルダが兄弟がいないと知ったストリックランドは「黒人なのに珍しいな」と冷ややかに言いました
他にも掃除婦、黒人、ゲイに対する差別シーンが所々にあります
そんなシーンがあったからこそ半魚人とイライザの愛が実ったのはとても意味があると思います
社会における差別というものをラストにこの映画は「関係ないよ〜」とぶっ飛ばしたような気がします
とても印象的なストリックランド
この映画は特に半魚人とイライザの他にも強烈なインパクトがあるキャラクターがストリックランドです
最初から最後まで何もかもが強烈
触らないでションベンすることを自慢してきたと思ったら指引き裂かれてるしセックスしてると思ったら半魚人を痛めつけてるしもうクズofクズ
差別的発言を多々しイライザに「喘ぎ声が聞きたい」と気持ち悪い限りのセクハラをし自身の身を守る為なら殺人も問わないクズofクズ
「私はこの安い飴が好きなんだ」と言っているので小さい頃は貧困で家庭環境も悪かったのでしょうか
だからあんなに性格が歪んだ、といえばそれまでなのですがそれにしても歪みすぎ
こんな純粋な悪者がいるからこそこの映画の面白さがぐっと際立つと思います
最後の首を切り裂かれたシーンは「だろうな」って感じでした
まとめ
アカデミー賞作品とはいえギレルモ・デル・トロ監督作品なので一癖も二癖もある表現や顔が引きつってしまうシーンがありますが全体的にとても映像が美しく半魚人とイライザの恋愛は見ていてとても美しかったです
特にラストの水中シーンは美しすぎるのでこれだけでも見る価値があります
ぜひ見てください
以上です
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